10月のある日、勉強が進んでいないので、彼に1学年下の2年生の授業をすすめた。このクラスには授業中よく質問する生徒がいる。
「先生、thatはこの前、習ったあれけ〜、同格名詞節け〜」
「that以下は独立した完全な文になっているか? the 名詞とthat節がイコールなのか?」
「なっていないから。あ、そうか!不完全だから関係詞の目的格だ。」
終始こんな感じで高2生があれやこれやと質問した。3年生には不満足だっただろうと授業後に彼に感想を聞いた。高2生の質問でわからない所が随分わかるようになったと言った。わからない所をそのままにしていたことが、成績が伸びない理由になっていたことに気づいたのである。それから彼は積極的にこの授業に出席するようになった。
成績が伸び悩んでいる人に共通することは、「今さら聞けない質問を聞いていないこと。わからない所を解決していないこと」である。その場で恥をかいても、わからない所を一つ一つクリアしていけば、合格の道は開けるのである。その後、彼はよく質問をするようになり、無事に岡山大学、農学部に合格したのである。