ビリギャル、さやかと同じような生徒を塾で指導したことがある。高校3年生の8月から入塾したYさんのことだ。彼女の先輩が当塾で早稲田の政経学部に合格したので紹介されたのです。
彼女の第一志望は早稲田大学。父親が商学部の出身で、どうしても早稲田に入れたいとの思いで、高2の夏休みには父親と福岡から大学を見学したという熱の入れようだった。
地元のトップ高校だったが、成績は450人中350番。現役合格には50番以内にいないと早稲田は無理と言われていた。
9月、8月の模試のテスト結果が戻ってきた。とても成績が悪く、早稲田はE判定。このままでは合格はないと私は判断しました。彼女は私立3科目型だったが、このまま日本史を勉強していたら合格はおぼつかないので、私は英語、国語2科目にしぼる指導をしました。
彼女の志望はスポーツ科学部、併願校が日本大学芸術学部で、英・国2科目、小論文、面接で受験ができたからです。(*2016年度は変更点があるかもしれません。各自チェックしてください。)
2科目にしぼってからは、志望校の過去の入試問題を5年分解き、徹底的に出そうな所から勉強を開始しました。英文解釈の講義も出遅れていましたが、その場で理解し英文を暗記していました。
さやかと一緒で学校の先生からは志望校の変更を求められ、相手にされていませんでした。
でも、彼女は決して諦めなかった!
11月には自転車で下校途中に車に轢かれて、1週間ほど学校に通学できなかった不運なこともあった。
2月に受験。日本大学の面接では色々な専門的なことを訊かれ、面食らったと報告がありました。
3月、日本大学の不合格発表後に彼女が挨拶に来ました。
早稲田の発表待ちでしたが、早稲田はだめだろうと半ば諦めていたようです。
翌日また彼女は顔を出しました。彼女がキラットと笑った瞬間。
私は結果を聞かずに合格したと直感しました。スポーツ科学部に合格していました!
私大入試は学部・学科で試験科目が違います。高校の担任の先生は最後まで諦めずに全科目、全力投球するように指導されることが多いと思います。
確かに、勉強科目を減らすと受験校が限られてきますが、志望校に合格するには「何を勉強し、何を捨てるかの選択」が重要になってきます。学校では表向きは全科目、全力投球を装ってもよいと思います。各自、第一志望合格に向けて戦略を練るのが大切なのです。
彼女は合格したことを「奇跡」と何度も言っていました。不運なことに遭遇しても、時間がなくても、先生に相手にされなくても、自分を信じて最後まで頑張ったのです。
私は映画のラストシーンとYさんの合格報告の笑顔がオーバーラップしたのです。さやかが合格した本当の理由はYさんと同じ、「自分を信じて最後まで頑張った」ことなのだと思います。