野球部に入って「甲子園」を目指すN君。中学時代に得意だった英語が高校に入って以来だんだんわからなくなってき
た。自分では「単語・熟語」の意味がわからないのが原因だと考えて、英単語ターゲット1900・英熟語ターゲット
1000を全部暗記したそうである。
半年後、学年成績トップクラスの野球部の友達と単語、熟語テストは負けないくらいになっていたが、実力テストはか
なわなかった。この原因は解釈力の不足にあると考えて、「英文解釈教室―改訂版」を購入して読みはじめたそうである
。これもまた半年要したそうだ。
1回終えたところでN君は入塾してきた。独力で300ページを1回やるのは骨が折れたと思う。しかし、この努力は「
無」ではない。難解な問題に頭を抱えてやると何がわからないかがよくわかってくる。漫然と講義を聞いてわかった気持
ちになるよりも頭に残る。
N君が最近授業中に英語はwhat、thatなどの役割を果たす語が重要だと思いますといった。私ははっとして、彼の言
葉に「努力の賜物」をみた。
◆受験は甘くありません(4月12日)
今春、残念な結果になり、再起を期すことになった皆さん、忸怩たる思いがあると思います。まずは不合格になった理
由を反省してみましょう。解答も出ているでしょうから、徹底的にやるのがいいでしょう。
浪人生にも2つのタイプがあります。ひとつは昨年は部活などでまったく勉強せずに覚悟の浪人の人。もうひとつは模
試でA,B判定をとりながら惜しくも不合格となった人です。
前者の人はこの4月から猛ダッシュで勉強に取りかからないと間に合いません。受験のレベルもわかっていないので1
年浪人すればなんとかなると思いがちですが、受験は甘くありません。後者の人は、不合格を受けいれられない思いが強
く、勉強がちょっと手につかないかもしれませんが、自分を騙しながらでも徐々に勉強に取りかかっていきましょう。目
標は5・6月の第1回の模試で第1志望校B判定以上までにもっていくことです。成績上位者がいないわけですから、こ
のくらいの成績が必要になります。
両者に言えることは受験時期の1,2月に成績と気力を最高な状態にもっていくことです。人によって違いますから根
を詰めても大丈夫な人もいますが、1週間に1日は遊びを入れて、これを自分へのご褒美としてあとの6日間勉強を充実
させた方が精神的にいいと塾生にはアドバイスしています。
◆ベルリッツの料金はそんなに違うの(4月9日)
大学時代からの友人の国際商社マンS君が先日帰国した。3か月ぶりである。彼は年間3分の1を外国で過ごしている。
今回は上海、バンコク、タヒチ、ソウルとまわってきたそうだ。
彼と私の共通点は旅行好きということ。それも観光地に出掛けるというよりはその地に溶け込む、つまり生活すること
に主眼を置いている点である。帰国後、彼と会うのは毎回ツアーではわからない「ナマ情報」を提供してくれるからであ
る。
今回英会話を勉強するのにためになった情報がある。彼は英語のブラッシュアップをしようと考えた。ベルリッツの語
学学校に通うのに、日本ではマンツーマンで1時間8,000円に対して、フィリピンやタイだと1,500円で済むのに目をつけ
、タイのバンコクで200時間レッスンに通ったというのである。200時間やるつもりなら、同じレベルの授業が海外旅行
込みで格安でできるというのだ。
外国の実情はひとつの町にじっくり腰を落ち着けないとわからない。そこで自分の知識を総動員して物を見て比較する
ことが必要なことをいつも彼から学んでいる。
◆合格体験記を読めば(4月4日)
今日は志望校の決め方から話しをはじめます。4月になって文系・理系や国公立・私立のクラス分けがありますね。ま
ずその枠内で自分の志望校を決めることになる。一番困るのが行きたい大学が下宿を考えなければならない時だ。経済問
題が発生するので親とよく話し合わなければならない。奨学金制度もあるのでよく調べて検討した方がよい。地方の国公
立大学には低料金で賄いつきの学寮があるので、費用は自宅から私立大学に通うよりトータルでは安くなるかもしれない。
そこで大体志望校がしぼられる。まず過去問を見てみる。同じ大学でも学部、学科で試験問題が違うことに気づく。英
語では全問マークセンスでスピード重視のどんどん解いていかなければいけない問題と、記述式、要約問題が多くじっく
り考えていかなければいけない問題がある。
理想の選択は自分の得意な形式で傾向のそろった大学を選ぶことである。志望校が苦手な形式ならば、今から対策を練
っていくことになる。偏差値は一定のバロメーターにはなるが絶対ではない。今までに過去問攻略をして早稲田大学だけ
合格して、他大学は不合格だった者もいる。まずはみんなが受験するセンター試験の問題を早めに取り組んで、一次の合
格点を目指すことだ。
最後に過去問は受験2,3ヶ月前に解くものではないということを肝に銘じてほしい。私も受験生が実力判定で合格点
に達しているかどうかを自分で判断したいと、2,3ヶ月前に解く気持はよくわかるが、過去問はなるべく早く入手して
出題傾向をみるものだということを力説したい。
合格体験記を読めば合格者が「過去問」を早目に攻略していることがわかる。東大合格者の大部分が取り組んでいる過
去問は25年分である。他大学とは比べものにならないぐらい年数が多い。これは「過去問」攻略が大切なことを物語っ
ている。志望校に合格するコツは早めに志望校の過去問を集められるだけ集めて目を通すことにつきる。
代ゼミマーク模試で全国46位になった高校3年になる塾生の勉強法は、これから高校生になる皆さんの参考になる。
中学では「ビジュアル英文解釈PART1」「ビジュアル英文解釈PART2」、高1では、「英文解釈教室−基礎編」、高2
では「英文解釈教室−改訂版」に取り組んだ。
この1年間は「英文解釈教室−改訂版」の講義は、短文を1回、例文を1回。その後、彼が短文2回復習を終えて、最後に
もう1回短文講義をおこなった。1年間に300ページを5回やったことになる。
成績トップの勉強法は「参考書主義」に徹していることである。評価の高い参考書を選択し、何度も復習して徹底的にわか
らないところをつぶしていくやり方をとっている。
大学に入学した塾生から各予備校のテキストをもらう。講義を終えているから詳細な解説書はどれもついていない。これで
はなかなか復習が完璧にできない。余白に書かれた講義内容は復習には不十分に感じられた。
高校で指定される参考書が満足できるものであれば、徹底してやることだ。分厚い参考書であっても、3回は最低やらない
と身につかないので、そのつもりで計画を立てるとよいと思う。